2023/07/05
経営改善:ABC分析の活用の仕方と「5S」
ABC分析という手法をご存じでしょうか。
重点分析という表現もあるようですが、色々な管理に応用できます。
基準在庫を設定するにも、月当たりの販売状況が把握できていなければ結局のところ経験と勘の世界での対応になってしまうので、データに基づく条件設定ということは重要です。
また、2対8の原則(売上の8割は上位2割の商品で確保されている等)を実感するにも、このABC分析は便利なものです。
要は、一定期間の販売動向を把握、多い順に並べ直すことで見えてくる情報ですよね。
売上構成比の8割を占めるものがA群、残り1割~1.5割を占めるのがB群、アイテム数は多いが貢献度が低い残り0.5割を占めるのがC群、このような感じで条件設定をして、管理の優先順位を決めることができるわけです。
少し情報把握が難しくなりますが、粗利益獲得貢献という基準で分析するのも一案でしょう。
経営への貢献度が分かり易くなります。
また、この情報を月毎にデータ化すれば、販売状況の変動状況が把握できたりします。
これは、重要な営業情報となります。
取引先に対して、増えた理由、減った理由を確認するだけでも営業活動の切り口としては効果的です。
意外と先方も把握していないことがありますから。
但し、在庫管理という側面からは、出荷(受注)の発生頻度という情報が必要です。
一定期間の売上数だけでは、まとまった単位で一気に引かれてその後はしばらく動きがないようなパターンも意外に多く、単純な平均値だけでは欠品が発生する可能性もあるため、この点は要注意です。
これが分かれば、生産計画(計画的な在庫の積上げ)やキャッシュフローの観点からそのアイテムは経営に寄与しているかどうかという判断基準にもなります。
ABC分析を継続的に行い、情報を蓄積することで、営業-製造-物流が同じデータを基に連携して活動することが可能となります。
これもまたDX(デジタルトランスフォーメーション)の一形態でしょう。
因みに、これも必要条件の明確化という「整理」と、目で見える状況の設定という「整頓」の流れになります。
既存のデータの有効活用法、皆さんも取組んでみませんか?
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