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2024/01/24

「物流改善」① 「鳥の目による俯瞰」

1、良い流れ、悪い流れ

物流とは、文字通りモノの流れを意味します。
但し、この意味の捉え方は業種業態で大きく違います。
・ 製造業から見た物流
  構内物流
  素材の受入れや仕掛品・完成品の払い出し等、外部との流れを繋ぐ物流
・ 運送業から見た物流
  文字通り、指定されたA地点からB地点まで指定された時間内に運ぶ物流
  輸配送
・ 仕事から見た流れ
  繋がり(流れ)に滞りなく、タイミングが合っていること

卸売業や小売業、はたまたネット事業に至るまで、それぞれに「物流」が発生します。
モノの流れとしての「物流」、情報の流れからの「物流」もあります。

では、良い物流とはどのようなものでしょうか。

個人的には、「運ばないこと」を念頭にそれぞれの置かれた状況に合わせて流れを見直すことではないかと考えております。

そもそも物流とは、送りたい場所(供給地)から送ってほしい場所(需要地)へモノ(在庫)を移動させる活動です。
それ故に、移動させることが当たり前と捉えがちであり、そこに改善の着眼点が数多く潜んでいるのです。

いかに途中の「運搬・停滞」を減らしていくか?という視点で見直しをすることが、意外なコスト削減のネタを見つけるきっかけにつながる可能性があります。
その反面、「運搬・停滞」を武器として活用することで、生産性の向上や差別化に繋げることも可能です。

それぞれ、考えてみれば当たり前のことです。
但し、物流事業者に負担を押し付けることではありません。
燃料費高騰から働き方改革まで、運ぶことの重要性とコストは上がっていくでしょう。
それ故、運ぶという活動そのものにメスを入れていく必要性はますます高まっていくでしょう。

「運ばないこと」を基準とした仕事の「整理」、ここにも当然のごとく「5S」という「ものの見方、考え方」は重要な要素となります。

2、「5S」の視点と物流

一番良い物流とは、「運ばないこと」です。
勿論、運ばなければ始まらないのも物流ですが、ここに「5S」の視点を入れると違った風景が見えてきます。
価値を生んでいる活動、即ち「必要条件」を「整理」するのです。
具体的には、「運ぶ」という活動の中身の「整理」です。

「物流における基本的な活動」

①積込み場所までの移動
②お客様の荷物の積込み待ち
③荷物の積み込み
④目的地までの移動
⑤目的地での荷卸し待ち
⑥荷卸し(納品)
⑦入荷時検品

この中で、実際に価値を生んでいるのは③の一部と④と⑥と⑦のみです。
補助的な前準備として価値があるのが①でしょうか。

物流の2024年問題、また2023年4月からの働き方改革の流れからくる残業代の見直し等物流を取り巻く環境は激変しています。
しかし、議論が運ぶ能力の方に偏りがちのようでやや懸念しています。
特に、②や⑤の事象についての検証が置き忘れられていては大変です。

3、7つのムダの内のひとつである「手待ちのムダ」が物流では置き去りにされる現状

日本の製造業では、この手待ち部分を明確に「ムダ」として「整理」対象、「改善対象」として手順や製造の流れを整えることで品質及び生産性を高めてきた歴史があります。
物流においても同じはず、必要な機能であればタイミング合わせのための「投資」が必要であり、単なる「コスト」と考えるのは危険です。
因みに、タイミング合わせの「投資」とは、お金を掛けてハード面を整備することだけではありません。
タイミングを含めた企業間連携の仕組みの基準を更新するための現状把握が必要であり、タイミングという基準からみた悪さの現状把握こそが必要です。

何より、納品するトラック及びドライバーが、荷主側から見た顧客に対して現物を持って一番初めに接する自社(荷主側)の顔になるという当たり前が抜けているのではないでしょうか。

これに、持続可能性という新たな価値への取組みの指標も加わり、本来の「投資」が必要な事項に変化していることを含め、根本的な改善が求められます。

4、「「単なる取引先」と「お客様」の違いとは?

仕事とは、お客様を含めた繋がりの中で成り立っています。
それ故、お客様へのお届けから前工程に遡りながら流れの「整理」をしていくことが大切です。

少し補足ですが、お客様を起点に遡りはしますが、お客様が神様とは考えることは少々危険です。
単なる取引先と、本当のお客様とは明確に「整理」しておく必要があるということです。

単なる取引先 : 取引はあるが、儲けがない、あるいは少ない
         要は、WIN-WINの関係にない相手
お客様    : 自社からの提供価値がお客様の役に立っており、自社も適切な利益を確
保している相手
WIN-WINの関係にある相手

これは、至極当たり前の基準です。
しかし、日本では時々勘違いをしているのではないかと思われる事象に出会います。
特に中小企業で。
日本の中小企業の割合は全企数約421万社の99.7%を占め、生み出される付加価値額の約5割を製造業が占めます。(経済産業省ホームページより抜粋)
そして、中小企業の6割以上は赤字と言われています。
この中で一般貨物事業者数は57,481社(国土交通省ホームページより:R2年時点)、約1.3%程度を占めています。

多くの産業は、この一般貨物事業者に事業の一翼、A点からB点まで運ぶという重要な機能を委ねています。
しかし、扱いの多くは「単なる取引先」です。
今後の変化点を考えると、結構危険な勘違いをしているのではないかと心配になります。

5、荷主側(物流センター側)から見た改善の着眼点

「単なる取引先」と「お客様」、これを混同すると本当に色々とややこしいことになります。
荷主側としても、経営改善を行う上での最大の障害になりかねません。

この点を「整理」した後に、下記のようなポイントを押さえていく必要があります。

まずは出荷口(納期基準)からです。
お客様への納品時間を基準にして、荷卸し時間、輸送時間までを加味して遡った出荷時刻表(ダイヤグラム)は整備されているでしょうか。
流れと時間軸を「整理」して、「目で見る管理」の道具立てを整備する「整頓」が重要となります。
実は、これが全ての業務改善の起点となります。
今回、表現的には物流を中心としていますが、全ての仕事に同じ基準が当てはまります。

そもそも、この時間軸という基準がなければ、現状が正しいのか正しくないかですら分からない状態となります。

「ジャスト・イン・タイム」とは本来間に合えば良いといった意味ですが、だからと言ってやたらと余裕(在庫や場所・バッファ・工数のバラツキ対策)を持つとコストが上がります。

時間軸という判断基準を共有した上でのサプライチェーン全体の課題把握は非常に効果的です。
無論、何となくわかってはいるけれども検証の俎上に上げたくない事柄が沢山出てくるでしょうから目を背けたいという気持ちも分からないではありませんが、これらは目に見えない負担として自社及び協力会社に圧し掛かっているのですから、放置するのはお勧めしません。

寧ろ、直視しなければサプライチェーン全体に悪影響が及ぶのではないでしょうか。
2024年問題と言われているものですら、本質的な議論に届いているようには思われません。

近江商人の言葉で、「三方良し」というものがあります。
要はバランス、問題解決には判断基準を明確にして、ギャップを浮き彫りにすることから始まります。
「5S」の「整理」と「整頓」が結局のところ入り口となるのです。

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