経営改善のことなら、株式会社三現主義経営にお任せください。

お電話

072-862-0801

営業時間 9:00~17:00(土日祝を除く)

お問い合わせ

お問い合わせはこちら

お気軽にご連絡ご相談下さい。

お電話お問い合わせ

お知らせ

トップページ

>

お知らせ

>

お知らせ(詳細)

お知らせ

2024/10/09

「製造業における収益改善」⑨ 在庫管理について ①

【目次】
1、「後工程引取り・後補充」という言葉の本来の意味
2、「ジャスト・イン・タイム」という言葉に対する誤解
3、「在庫」とは? ①
4、「在庫」とは? ②
5、「在庫」はモノだけではない
6、「在庫(バッファ)」は必要だが、有り過ぎても怖い存在

【要点】
・ 「後工程引取り、後補充」という言葉は、会社の「仕組み」を表している
・ 少ない在庫で回せるのであれば諸々のコストは必ず抑制される
  = 在庫とはコストである
・ 生産のリードタイム(供給のトータルリードタイム)がお客様の要求するリードタイ
ムより短い場合以外は「在庫」で対応するしかない
・ 会社の「仕組み」とは、ある意味「情報連結」で成り立っており、基本は「後工程引
取り、後補充」である
・ 「在庫」は武器にも凶器にもなる。間に合ったからよかったという基準で社内が動い
て良いという誤った基準を許してしまうと、問題解決に向けた行動を阻害する

1、「後工程引取り・後補充」という言葉の本来の意味

必要なものを・必要な時に・必要なだけ、造る・運ぶことができれば効率は飛躍的に向上します。
これは、モノだけではなく情報にも当てはまります。

「5S」でいうところの、「整理」・「整頓」・「清掃」という基準が活用されていて、「清潔」・「躾」で実際の運用の仕組みが更新されている状態がこれに当たります。

「後工程引取り・後補充」のような仕事の仕組みを回すには必要不可欠な条件と言えます。

これまでも何度か触れていますが、企業(ビジネス)とは、人・モノ・金・情報等の経営資源を活用しながら外部に対するサービス(商製品含む)を造り込み、提供して評価を得て回していくものです。

ゴールは外部かも知れませんが、スタート地点はあくまでも内部、提供したいサービス(商製品含む)を造り込み、外部に知ってもらうための取組み(これをマーケティングと言う)を行い、手に取り使ってみてもらい(体験:これは外部)、その評価を振り返りながら更に磨きを掛けていくのも内部です。

そして、全ての「仕事」は外部に対して価値を提供するために行われます。

一部署、一個人で完結する仕事というものは存在しません。

一部署の仕事を見ても、情報加工であれモノの加工であれ、素材は自部署の外から提供されます。

(例)
・ 総務 : 健康診断の準備
       対象者        → 自部署を含めた会社に所属するメンバー
       申し込みフォーマット → 健康診断を実施する医療機関等
       期日         → 健康診断を実施する医療機関等
・ 経理  : 売上情報       → 営業部門
        仕入情報       → 営業部門や購買部門
        配送費用情報     → 営業部門や購買部門、物流部門
・ 営業  : 受注情報       → 取引先
・ 製造  : 製造予定       → 営業情報及び購買情報や在庫情報が元ソース
・ 経営  : 各種経営指標     → 企業内の全部署及び取引先や仕入先等

上記はあくまでも例示ですが、このような視点で考えてみると全ての仕事は情報が起点となり、その情報が自部署以外からもたらされていることは理解いただけるのではないでしょうか。

無論、その情報を自部署が加工した結果は自部署以外の部署の情報ベースでの素材となります。

当たり前のことですが、意外と腹落ちしていないこの事実から、まずは自らの仕事の「整理」を行う必要があるでしょう。

「後工程引取り・後補充」という言葉の本来の意味は、後工程が必要な情報を後工程が必要なタイミングで引き取り、その情報(この場合は指示という意味合い含む)を元にして現物(モノ)を動かすことにあります。

故に、前工程は後工程が間に合うタイミングで後工程の素材となる情報やモノを準備しておくこと、そうすることで社内全ての機能が効率的に動く環境を維持することが必要になります。

「後工程引取り・後補充」という言葉は、会社の「仕組み」を表しているのです。

2、「ジャスト・イン・タイム」という言葉に対する誤解
タイミングを合わせるためには、在庫が必要です。

前述の通り、「後工程引取り・後補充」と言う言葉は本来「仕事そのもの」を進めるための基本的な「仕組み」を表しています。

「後工程引取り・後補充」という表現より、「ジャスト・イン・タイム」という表現の方が聞き慣れているかもしれません。

しかし、「ジャスト・イン・タイム」と表現してしまうと、タイミングをぴったり合わせること、在庫を極小にすることのように受け取れがちです。

これは正直不思議なことですが、「ジャスト・イン・タイム」とは全てが完全に同期していることを表している訳ではありません。

① 間に合えばよい
② その為にはタイミング合わせのバッファは必要
(仕掛りや完成品在庫、仕事の前倒しによるバッファ等)
③ 安定的に間に合うようになれば、タイミング合わせ用バッファは徐々に減らしていく
④ 結果として、短いリードタイムを差別化の武器とする

このように順次レベルアップさせていく「仕組み」なのです。

3、「在庫」とは? ①
「より少ない在庫」で対応できれば、経営的には大きな効果があります。

・ 陳腐化リスクの低減
  製商品のライフサイクルは急速に短くなっています。在庫を持つということは、当然
のことながら売れなくなった在庫を抱えかねないというリスクがあります。
・ 資金繰り負担の軽減
  在庫を持つということは、現金がモノに変わっている状態と言えます。当然、そこに
お金(資金)が縛り付けられます。商売とは、「投資して回収する」という流れが基
本的にはありますので、資金確保の裏側には金利負担が発生します。要はお金が出て
いく訳です。
・ 管理負担
  モノがあれば、必ずそこに管理工数が発生します。量や種類が増えれば増えるだけ、
その工数は増大し、人件費を含めたコストに跳ね返ってきます。
・ スペース
  忘れられがちなのがスペースコストでしょう。空きスペースがあれば置けばよいと考
えがちですが、場所には場所代が必ず掛かっています。
 ・ 運搬工数
   モノは勝手に動いてはくれません。運搬工数が必ず掛かります。

4「在庫」とは? ②
確かに、少ない在庫で事業が回せれば圧倒的にコストが低減されるでしょう。

では、そもそも何故「在庫」を持たなければならないでしょうか?

理由は単純です。

間に合わないからです。

お客様が引く(買う)タイミングに間に合わなければ欠品します。

欠品すれば、信用を失い失注に繋がります。

それ故、生産のリードタイム(供給のトータルリードタイム)がお客様の要求するリードタイムより短い場合以外は「在庫」で対応するしかないのです。

お客様を待たせて受注生産が出来る、あるいは若干の見込み生産でもお客様に待ってもらえるだけの商品力やブランド力を持っていない以上、「在庫」で不足するリードタイムを埋める必要がある訳です。

結果、「在庫」を持つことで短リードタイムに対応、競争力のひとつの武器として機能させることが可能となります。

5、「在庫」はモノだけではない
全ての仕事は情報が起点となり、その情報が自部署以外からもたらされます。

自部署が加工した情報は自部署以外の仕事の素材となります。

会社の「仕組み」とは、ある意味「情報連結」で成り立っています。

その「情報連結」という「仕組み」の基本は、「後工程引取り・後補充」です。

後工程が必要なタイミングで情報(この場合は指示という意味合い含む)が供給されなければ仕事は停滞します。

このように考えると、仕事と仕事を繋ぐ連結部分には、モノの「在庫」同様ある程度のバッファが必要であるとも考えることが出来ます。

バッファとはタイミング合わせのための仕事の前倒しと言い換えることが出来るでしょう。

では、このバッファ(情報加工後の在庫)はどのくらい持っていれば良いかというと、それぞれの企業及びサプライチェーンの実力次第となります。

「仕組み」の良し悪しが競争力に大きな差を生む理由のひとつです。

6、「在庫(バッファ)」は必要だが、有り過ぎても怖い存在
在庫がなければ工程間の繋がりに綻び(欠品)が生じますが、持ちすぎるということはコストに跳ね返ってきます。

また、「在庫(バッファ)」を持ちすぎるということは、何か問題が発生した時の対応に間延びを発生させるリスクも内包しています。

取り敢えず代替が可能、あるいは時間的な余裕があるから手直ししても気にならないという意味での間延びです。

これらは、結果として問題を隠してしまいます。

ミスや設備トラブル・前工程からの不良のトラブルなどは、この在庫があることで手直しの時間が稼げ、結果として顕在化しないことになりかねないのです。

やり繰りで何とかなってしまう訳です。

報告は上がるが、間に合ったからよかったという基準で社内が動いて良いという誤った基準を許してしまうと、問題解決に向けた行動を阻害することになります。

要はバランス、「在庫(バッファ)」とは、武器にもなれば凶器にもなる、使い方次第であり、企業の仕組みの弱さを教えてくれる反面教師のような側面を持つことは忘れないで下さい。

一覧に戻る

ページトップ

お問い合わせ

当社へのご依頼やご相談をご希望される方は、お問い合わせフォームよりご連絡下さい。

お問い合わせはこちら