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2025/04/09

「製造業における収益改善」⑩ 在庫管理について ②

【目次】
1、在庫と安心係数
2、在庫の位置づけは企業の競争力を左右する
3、「臭いものには蓋をする」、で大丈夫?
4、「管理」という意味を考える

【要点】
・ 「在庫」を厳密に考えることは意外と少ない
・ 「在庫」という存在は不安を安心に変えてくれるもの
・ 「在庫」は経営的なリスクを内包するもの
・ 人は数字だけを見ていると実感が薄れ、勘違いを起こしやすい
・ 「在庫」を、必要以上の安心を求めるための道具と捉えるか、「問題の顕在化」のための道具と考えるか、それによって企業の体質大きな差が生じる
・ 面倒臭いを放置すると、後々が厄介になる
・ 面倒臭いとは、仕組みの不備を意味する
・ 何を持って維持・統御・利用・改良出来ているかの基準が無ければ「管理」は出来ない

1、在庫と安心係数

在庫の取扱い、コントロールというのは本当に難しいものです。

特に、昨今のサプライチェーンの混乱がそれに拍車を掛けているのは間違いないでしょう。

基本的には、お客様(含む、後工程)が必要とするタイミングと、自工程が対応可能なリードタイムに差がある(こちらの方に時間が掛かる)場合、欠品を避けるためには在庫を持たざるを得ません。

では、いったいどのくらいの量を持っていればよいのか、これを厳密に突き詰める取組みをやり続けることは本当に困難です。

在庫担当者としては、まず安心を求めます。

取り敢えず安心を確保しようという気持ちが働くのです。

特に、在庫という存在はその安心に答えてくれるものだから猶更でしょう。

しかし、その裏側でキャッシュを縛り、場所を占拠し、余分な管理工数や作業を発生させる困りものでもあります。

陳腐化の危険=損失の発生すら内包しています。

コンピューターの性能が向上し、ネットが広まり、データとしては簡単に見ることができるようになりましたが、在庫のコントロールがうまくなったかと言えば、必ずしもそうではありません。

AIの進歩が進めばまた違った形になるのかもしれませんが、あくまでも未来予測の当てモノゲームの世界では、簡単ではないようにも思えます。

まあ、そもそも論としてはそのような予測システムを入れることが可能なのは資本力のある企業に現時点では限定されるであろうという点もあります。

当面は、人が業務として対応するのではないかと思われます。

ある程度のシステムを導入していれば、最低限の在庫増減は数値として見ることはできますので、業務としては成り立っています。

しかし、人物事をは数字として捉えてしまうと、実感が薄くなるという弊害もあります。

山積みされた現物を目の当たりにすれば腰も引けますが、数字ではなかなか怖くは感じられないものです。

しかし、在庫設定が難しいからこそ、そこに安心を求める係数が掛け合わせられます。

繰り返しになりますが、今後AIを使った自動発注技術も進んでいくでしょうが、当面中小企業が活用できるのは先のことでしょう。

故に安心のための係数、先送りの現状維持という魔物が入り込みやすいのです。

しかし、ここにも「5S」というモノサシは有効に機能してくれます。

少なくとも、人に付いた安心係数や先送りを、このモノサシは許してくれませんから。

2、在庫の位置づけは企業の競争力を左右する

在庫を、必要以上の安心を求めるための道具か、あえて問題の顕在化のための道具と考えるか、それによって企業の体質改善に大きな差が生じます。

これまで述べてきた通り、通常「在庫」とはお客様(含む、後工程)が必要とするタイミングと、自工程が対応可能なリードタイムに差がある(こちらの方に時間が掛かる)場合、欠品を避けるために構えるものです。

無論、これを構えることで短リードタイムを差別化の武器として競争優位性を確保すること等は定石と言えるかもしれません。

しかし、問題点を顕在化するための「指標」として「在庫」を捉える動きは少ないのではないでしょうか。

少し、例え話をしてみましょう。

分かり易くモノの在庫を対象としてみます。

・ 在庫とは暗礁を覆い隠す水面のようなもの
・ 水位が高ければ、船は暗礁に乗り上げることはない
  → 岩礁(トラブルの芽)自体は消えることはないが、当面の危険は回避された状態
・ その代り、水位を高い所に維持するためには多額のキャッシュが固定
・ 当然、そこに金利も掛かっている

これを組織に置き換えると、過剰な構え(人・モノ・設備)を持つと市場の振れには対応できますがコストが高くつくといったところでしょうか。

高い水位に安住してしまえば、問題は顕在化しません。

目にも映らず、座礁(欠品)などのトラブルも起きませんので本来の自社の弱さが見えなくなります。

3、「臭いものには蓋をする」、で大丈夫?

在庫とは、多額のキャッシュと引き換えに、臭いものにふたをするような側面があることを忘れないで下さい。

問題に取り組むことの面倒臭さが多めの在庫を是としてしまうのです。

この面倒臭さを是とするということは、その担当者個人の判断基準を是とすることと同義です。

無論、全てを雁字搦めにしてしまうことを是としている訳ではありません。

しかし、担当者個人の判断基準がノーチェックのまま業務の判断基準にすり替わることのリスクを述べているのです。

こうなってくると、「人に仕事が付いている」状態が出来上がりかねないというリスク、これを許してしまうと戻すのに余計な苦労をすることになります。

面倒臭いことだからこそ、何故面倒臭くなっているかを検証すべきなのです。

そこに、仕組み的な不備が必ず隠れていますから。
   

4、「管理」という意味を考える

数値上のデータだけを見て管理できていると思われている方が多いようですが、何をもって管理できていると判断されているか、「整理」する必要があるでしょう。

・ そもそもが、管理という言葉の意味を理解していますか?
→ 判断基準が明確になっていなければ、何を持って「管理」出来ているかすら判断できない
・ そのための判断基準、例えば上限や下限等の基準を設けていますか?
・ 在庫増減の幅を統御するための必要な情報を確保する仕組みは存在しますか?

等、振返りが必要な企業は多いのではないでしょうか。

管理とは、
・ ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を—する」「健康—」「—教育」
・ 事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと
「—の行き届いたマンション」「生産—」
・ 法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。
* Weblio辞書より抜粋

要は、何を持って維持・統御・利用・改良出来ているかの基準が無ければ「管理」は出来ないということです。

その基準をつくり(Plan)、運用し(Do)、結果を表かし(Check)、改善(Action)しなければ「管理」していることにはならないということです。

これは、「仕組み」をつくることと同義です。

そして、仕組みを見直すことで、更に生産性は上げることが可能となります。

その仕組みを機能させるための「武器」として、「在庫」は機能させなければもったいないのではないでしょうか?

本来、在庫の構え方は固定的なものではありません。

使われるからこそ構えるもの、リードタイムに間に合わないから仕方なく構えているものです。

では、その「足りていない何か」を炙り出し、改善するための「指標」としても活用すべきでしょう。

何れにしても、一定の構えは必要なのですから。

何を持って安心しているか、どちらかと言えば思考を停止させて諦めているのか、もう一度振り返る必要があるでしょう。

考えること自体が面倒臭いのは理解できますが、それは正しく問題の先送りです。

仕組むため使えるモノサシとしての「5S」、上手く活用していただきたい所以です。

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