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2025/06/11

モノや情報の流れから見た改善の着眼点 「物流改善」 ⑧ 運搬具について

【目次】
1、運搬具について
2、安全性と作業品質から考えること
3、条件「整理」の順番「まずは安全から」
4、品質(作業品質)と生産性について
5、例えば「動力車」の場合

【要点】
・ 使いやすいこと、両手は塞がっていませんか?
・ 何かの条件「整理」をする場合、①安全性、②品質、③生産性、④コストの順で考えること
・ 運搬具は重さと動きが加わっており、危険が一杯
・ 怪我は、我ながら怪しむと書く、当たり前を取りこぼした時が危ない
・ 如何に運ばないか(動かないか)=最小限の動きに抑えるか=楽に作業ができる環境を作るか、これらが作業品質を高め、結果として生産性を高める重要なポイント
・ 慣れの怖さを振り返ること、怪我は忘れたころに発生する

1、運搬具について

ピッキングの基本は「指示書」「運搬具」「お店(在庫置き場)」の3点セットにあります。

今回は「運搬具」について考えてみます。

スリムカート、台車、車輪付きのカゴなど、運搬具にもいろいろと種類があります。

しかし、まずは「指示書」との兼ね合いを考える必要があります。

常に「指示書」を片手に持って、残りの手で運搬具を押す、ピッキングをするとなる安全性、生産性の低下を招きます。

デジタルピッキングの場合でも、端末を常に片手に持って作業するようなやり方では、同じことが言えます。

それ故、台車と指示画面がセットになっていることが多いのです。

2、安全性と作業品質から考えること

大前提として、人間の注意力には限界があります。

また、片手が塞がっていたら取り損ない等も発生しやすくなります。

これらは、安全性と作業品質に影響を与えます。

そこで、作業のやり易さという条件「整理」が必要となります。
例えば、「指示書」は作業者の一番見やすい位置に固定できるようにすることで、両手を常に使える状態にすること等が考えられます。

そもそもが、ピッキングをするのだから手が空いていることは本来必要不可欠です。

また、物流加工に使用するラベルなどもその周辺にセットして、作業順序に合わせて並べておくような工夫等も考えられるでしょう。

これらは作業動線の「整理」となり、「運搬具」の条件「整理」、また必要資材関係の置き場の固定化という「整頓」に繋がります。

ここでも、「5S」のものの見方・考え方が基本軸となります。

作業者に、如何に負担なく作業に集中してもらうかという視点を常に持ち続けること、作業者からもどうすれば安全に・楽に・正確に作業ができるかという声を拾い上げることのふたつが、安全性・作業品質・生産性等の向上に繋がるのです。

これらの基本的な部分がきちんと運用できる状態、「清潔」と「躾」のサイクルが回るように仕組めればICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)等を活用したデジタル化、要はデジタルピッキングシステムを導入するのも良いでしょう。

しかし、その前提条件はピッキングの三点セットをきちんと運用できる仕組みを社内に落とし込むことでしょう。

この仕組み作りは、自社の体質をより強いものに変えていきます。

そう考えるとき、「運搬具」ひとつをとっても、単なる運ぶ道具としてではなく、改善を継続するための重要な武器となります。

3、条件「整理」の順番「まずは安全から」

条件「整理」の順番は、
①安全性
②品質
③生産性
④コスト

となります。

まずは安全性ですが、例えば運搬具には押したり引いたりするための取っ手は付いているでしょうか?

それも、手が取っ手の枠の外側に出ないような形状、即ち台車を押す手を保護する形状になっているでしょうか?

何故なら、万が一台車同士のすれ違い時に手が外側に置かれていると、大怪我の元になりかねないからです。

指程度でしたら、簡単にちぎれ飛びかねません。

意外と、こういう身近な危険に関しては見落とがあります。

「整理」する事項から抜けがちなので、注意が必要です。

また、ピッキングの動線が一筆書きであるべきなのも、ひとつはこのような安全面の考慮という側面があります。

右側通行、左側通行、道路では当たり前のことが職場では当たり前になっていないことが多いのは何故でしょうか。

怪我は、我ながら怪しむと書きます。

当たり前のことをきちんとすること、これが、安全・品質・生産性の全てに大きな影響を与えることを、肝に銘じて下さい。

それ故の「5S」、必要な条件や基準を洗い出す「整理」というモノサシ、この意味を常に念頭に置くことが大切です。

4、品質(作業品質)と生産性について

次は品質(作業品質)と生産性です。

ここでも、大前提として人間の注意力には限界があるという視点が大切となります。

ピッキングを行うとき、「指示書」へのチェック及び箱への詰め合わせや、ガムテープによる封函、荷札ラベルの貼付作業が必要な場合があります。

そうすると、運搬具にはこれらの必要なものが、作業者に一番使いやすい位置に備え付けられている必要が出てきます。

あと、意外と忘れがちなのはゴミ入れです。

ピッキングの最中にちょっとした紙ゴミ等が発生したとき、置き場に困っている作業者を見かけたことはありませんか。

これらもまた、「お店(在庫置き場)」におけるロケーション管理と同じ「整理」基準となります。

また、動作改善の基本でもあります。

・ 目の動き
・ 手の動き
・ 足の動き

等、作業に必要な条件の「整理」、そうすることで見えてくるギャップ=やり難さ、それが改善項目となります。

如何に運ばないか(動かないか)=最小限の動きに抑えるか=楽に作業ができる環境を作るか、これらが作業品質を高め、結果として生産性を高める重要なポイントとなります。

5、例えば「動力車」の場合

これまでは手押し型の台車をイメージしてお話しておりましたが、フォークリフト等の動力車について考えてみます。

基本は同じです。

必要な資材や道具は、ピッキングという作業順序合わせて使いやすいように「整頓」されていることが肝要です。

運搬能力が高い動力車では、特にこの点には注意が必要です。

作業性だけに目が行きがちであり、安全面を取りこぼしがちの現場が散見されますので。

また、動線という名のロケーション管理は出来ているでしょうか。

動線が交錯してはいないでしょうか。

道路では、基本は車線が分かれていますよね。

右折時、左折時では優先順位が決められていますよね。

これらは、皆さん当然のことだと認識されているはずですが、職場では「整理」すべき項目から抜け落ちていないでしょうか。

また、荷物を積んだとき、前方の視界が遮られた状態(要は高積み)で前進走行を行うようなシーンもよく見受けられます。

フォークリフトの走行の基本は確かに前進だとは思いますが、安全性はどこに行ったのでしょうか。

まとめて運ぶ方が楽、能率が良いと思い生産性を優先した挙句、安全性を見失っているとしたら本末転倒です。

怪我をしては始まりません。

無論、現場の状況(制約条件)によりケースバイケースになることは理解していますが、一番大切な条件「整理」が抜けているのでは意味がありません。

動力車を始め、道具は凶器と紙一重です。

慣れの怖さを知るためにも、危険予知という「整理」は常に必要なことではないでしょうか。

怪我とは、我ながら怪しむこと、忘れたころに発生します。

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