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2026/02/10

「5S」を仕組む意味 「5S」とは? ⑥ 収益改善に向けた具体的取組み例 ①

「5S」の目的
① 【売上を増やして、コストを下げること=収益改善】
② 【組織文化の変革(良い組織文化の醸成)】                

1、意識が変わるのは一番最後である

今回からは、「5S」の具体的な進め方についてお話します。 
                                          基本的な考え方は、【当たり前のレベルを少しずつ上げていくこと】です。
スピードも大切ですが、意識の変革には下記のようなプロセスが必要です。
① 基準を変える=「整理」「整頓」「清掃」「清潔」
② 基準を変えた結果、行動が変わる=「清潔」
③ 行動が変わった結果、成果が変わる=「躾」
④ 成果が変わった結果、「これで良かったのだ」との納得が生まれる=「躾」
⑤ 納得(腹落ち)するからこそ、最終的に意識が変わる「躾」
故に、きちんとしたプロセスを踏んだ上で、ある程度の時間が必要です。

2、「経営戦略」の処方箋としての「5S」

まずは、「5S」のふたつの目的を念頭に活動計画を立てていきます。

「5S」の目的
① 【売上を増やして、コストを下げること=収益改善】
② 【組織文化の変革(良い組織文化の醸成)】     

現状に対して、まずは「当面の目指す姿」イメージする訳です。
企業にはそもそも「存在目的」があり、その目的に向かうために「目標」が設定されます。
「目的」は「(当面の)あるべき姿」であり、定性的に表現されるものです。
「目標」は「当面のあるべき姿」であり、定量的に表現されたものと言えます。
そう、果て無き「目的」に達するための道しるべ、それが「目標」であり、「目的」と「目標」を繋ぐための結節点として「経営戦略」が存在します。

故に、企業が取組む全ての活動は「経営戦略」にリンクします。(より正確には、リンクさせるべきです。)

「経営戦略」とは、
「企業体がその経営目的を達成するための施策・方策全般」

この、「経営戦略」を、「数値面」と「仕組み面」の両面から策定することになります。

「5S」という「ものの見方・考え方」を活用する真の目的は、会社の収益改善と風土や文化などの変革にあります。 

激しい外部環境の変化の中で企業が生き残るのに必要なのは、
【外部環境に適応すること】
ではなく、
【外部環境に適応し続けること】
なんですから。

「5S」には、これらが意思を込めて織り込まれています。
即ち、「5S」の取組み目的は、働きやすい環境の維持・更新を図りながら適正な利益を確保すること、即ち企業としての継続条件を確保することにあります。
故に、「経営戦略」とのリンクを外すわけにはいかないのです。

但し、いきなり「あるべき姿」に到達出来る訳ではありません。
まずは「目標」としての「当面のあるべき姿」を何段階か挟みながら基礎体力、地力の向上を図っていく必要があります。
ショートインターバルで一歩ずつ階段を上がっていくイメージです。

要は、「5S」のそれぞれの「S」の意味を踏まえながら「経営目的を達成するための施策・方策」を策定した上で、「進捗管理」ができるよう【目で見る管理】の型に落とし込んでいくのです。

小刻みに、無理をせず、しかしトップが常に率先して行動すること、目的を浸透させていくことが重要です。
「経営戦略」、即ち「企業体がその経営目的を達成するための施策・方策全般」を抽出するための処方箋が「5S」です。

3、トップの覚悟と関与の重要性

「経営戦略」と「5S」はリンクします。
だからこそ、企業体を指揮・運営する責任あるポジションにある者が定期的なフォローを行い、ギャップを確認しながら、その理由を聴き、対策を練り直し、再度チャレンジさせること、この過程で次に「更新すべき基準」が見えてきます。
                                                           一見迂遠に思えるかもしれないこのアプローチが、会社の体質を変える第一歩となります。              一回一回のフォローの時間は短くても良いのです。
指示を掛ける以上はフォロー可能なタイミングで必ず定期的に確認すること、当たり前ですが、意外とできていないことでもあります。

まず誰の目にも見える形を作り出し、トップが動き「背中を見せること」、その上で、目的と重点ポイントを繰り返し伝える「実際に動いて見せる」ことが大切です。

その強い意志と継続への姿勢こそが、変革のための重要な鍵となります。

4、【ゼロ】より始める【要・不要の基準づくり】=「整理」

まずは最初の「S」、「整理」の進め方の一例です。 
                                              「整理」を実際に進めるときに一番必要なことは、【要・不要の基準づくり】です。

この順番には注意してください。
間違っても、【不要】の方から始めないでください。
そもそも、仕事に【不要】な事柄が紛れ込んでいるとは誰も思っておりませんし、思っていても直視したがりません。

誰よりも、会社の「仕組み」を構築・運営する責任者であるトップがそれを直視することを一番嫌がります。
次に、会社の歴史に寄り添い会社員人生を歩んできたベテラン勢が揃って否定に掛かるでしょう。
当然のことですよね。

【自己否定】は人間、一番難しいですから。
更に困ったことに、その当時はそれでも良かったのですから。
【成功体験】を否定することには、更なる抵抗が当たり前のように発生するでしょう。

基本、面倒は避けて通りたいのが人間です。
このように、「整理」のための基準づくりが一番難しいものです。
だからこそ、何が【必要な条件:基準であるか】から考えるのです。

さて、この段階で疑問を持たれた方もいらっしゃるかも知れません。
取組み対象は「モノ」ではないかと・・・。

無論、「モノ」も含みますが、「5S」における「整理」と「断捨離」は違います。
「5S」における「整理」で着目するのは「仕事そのもの」、そのための必要条件にひとつとして「モノ」が含まれるだけです。
                                                  そもそも、企業活動とは経営理念を具現化するためのプロセスのような側面があります。
当然、その理念を果たすためには継続するための利益確保が必須となります。
そのためには、ムダは許されないはずですが、では何が【必要】で何が【ムダ≠不要】かを厳密に考えること、または繰り返し考え続ける「仕組み」が企業内に必要なのです。
環境は時々刻々と変化していくもの、正しく【諸行無常】なのですから。

しかし、現実的にはこの必要不可欠な【安全装置】が設定されていることは滅多にありません。

ここに、「5S」という「ものの見方・考え方」を仕組むという意味での「5S」の存在意義があります。

5、「自社の当たり前」を説明できますか?

「5S」とは、突き詰めると「当たり前」という基準の継続的更新です。

基本的な「整理」に取組めば、次の「整頓」に進まざるを得ません。
「整理」「整頓」に取組めていれば、「清掃」に進まざるを得ません。
その理由は、
「清潔」と「躾」というサイクルが事前に仕込まれているからです。
意思を込めて回さざるを得ない構造になっているからです。

故に、適切な訓練を受けなければ使いこなすことは困難でしょう。
だからこそ、経験を積み、実績を上げた伴走者(外部支援者)がいます。
コストと投資、どう判断されるかは経営者次第ですが、リターンは大きく違ってくるでしょう。

それが【仕組む】ということ、【仕組づくりとは基準の更新】なのです。
そして、ものごとは突き詰めれば単純な言葉に変換されるものです。

複雑なことを如何に分かり易く、単純化して行動可能な状態にまで持っていくことが重要なのです。

「それでは、あなた(御社)の当たり前とは何ですか?」と問うと、皆さんはどの様に応えられますか。
何をもって「当たり前」とするのか、何をもって「正常」と判断するのか、大切なことはシンプルですが、それだけに落とし込むこと、続けることは難しいものです。

「当たり前」という言葉自体を、少し深堀してみませんか?
きっと新しい発見がありますよ。

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