2026/10/19
モノや情報の流れから見た改善の着眼点 「物流改善」 ⑪ 「お店(在庫置き場):在庫管理」 ③
【目次】
1、在庫と営業の関係について
2、在庫の本質とは
3、営業とは(補足)
4、実力値の把握と振返り(会議体の意義とは)
【要点】
・ 在庫責任は営業側にある(売る機能は営業側のみが有している)
・ 情報(営業情報)があってこそ、製造機能・仕入機能・物流機能が動く(動ける)
・ 営業とは確かに売る機能を担っているが、単なる物売りではない
・ 情報の格上げこそが営業の本質である
・ 「お店(在庫置き場)」とは市場の振れ(ムラ)の影響を最小限に抑制するために設定される
・ ムラとは、自社の課題を教えてくれるありがたい現象であるが、その振返りを行うためには会議体の意義を振り返る必要がある
1、在庫と営業の関係について
「お店(在庫置き場)」の果たすべき機能は、必要なものを、必要なときに、必要なだけ予
め揃えておくことで、欠品や空振りを防止するところにあります。
また、短リードタイムへの対応による競争力の確保や、市場の振れを生産現場に波及させな
いための防波堤として設定することで、品質や生産性の向上の武器にもなります。
では、在庫責任は会社のどの機能が持つべきでしょうか。
異論はあるとは思いますが、私は営業だと考えています。
理由は簡単、市場との直接の接点を持ち、売る機能を担っているからです。
・ リードタイムの変動(突発、緊急)
・ 量変動(突発・仕掛け≠特売やセール等)
これらの変化点は、市場に対する窓口である営業活動における意思決定により発生するからです。
また、営業の本質的役割は「売る」という機能を果たすことで「利益を確保する」ことにあ
り、そのためには自社の実力値を理解しておく必要があることも大切なポイントとなります。
2、在庫の本質とは
在庫責任は営業側にあります。
売る機能、何を売るか、どのくらい売るか、いつ売るかという判断は営業側が握っているか
らです。
無論、製造側は正しい製品を(品質)、「ムダ」無く(コスト)、「遅れなく」(納期)供給す
ることが役割ですが、それもまた受注の取り方に大きく影響を受けることになります。
故に、在庫という防波堤を築く必要が生じる訳ですが、その構えを決める情報源は営業側が
持っている、というか持たざるを得ないのです。
外部の市場との設定という機能を担っているのですから、当然のことです。
まずは間口、即ち品種は営業側しか決められません。
何を市場に提供するか、あるいは市場が何を求めているかという情報を獲得することが重
要な営業機能である以上、当然のことです。
(但し、何を売るかについて当然のことながら経営判断が入る点と、本質的に経営とは企業
における全ての機能を内包・統合した上で機能分化した結果として営業という組織を企業
内に形成していることを補足しておきます。)
次に奥行き、即ち量については、どの程度売るか・売れるか・いつ売るかという営業戦略と
実績から算出されます。
また、万が一デッドストックとなりそうな場合にも、売り切る機能は営業側だけに存在します。
(社販等は除きます。あくまでも市場に対してという前提です。)
無論、間口・奥行きの基準に合わせて補充する役割は製造側が担うことになるでしょうし、
これをもとに物流機能が動くことになることは確かです。
しかし、動く根拠は営業側の情報になります。
勝手に造って勝手に運ぶ訳にはいきませんから、これも当然のことです。
卸や小売り等の業態も、基本は同じです。
何が(何を)どのくらい売るという営業戦略、営業情報を元に仕入を行い、必要な場所に運
ぶことができるという当たり前を忘れてはなりません。
こうして考えると、「お店(在庫置き場)」というのは販売機能と製造機能と物流機能の接点、
バトンタッチゾーンとも言えます。
ビジネスの全ての始まりは情報、その情報の源は営業側にあり、その情報を元に仕組まれた
機能のひとつが「お店(在庫置き場)」であるとの認識は必要でしょう。
3、営業とは(補足)
ひとつ補足ですが、売る機能は営業が持つことは厳然たる事実です。
しかし、では営業とは単なる物売りかと言えば、それは違います。
営業の果たすべき役割は情報の格上げです。
格上げの順序としては、
① 茫洋とした市場から見込み客を見つけ出すこと(見込み情報)
② 見込み客に対して、最初の取引に繋げること(第一次確定情報)
③ 不安定な取引先を、継続客に引き上げること(第二次確定情報)
④ 継続客から、贔屓客(ファン)へ格上げすること(目指すべき姿である情報)
このような感じでしょうか。
この情報の格上げ度合いにより、結果として売上が立つという見方が正しいのではないか
と思われます。
無論、この情報の格上げプロセスの中で、お客の困りごとを把握、製販(会社全体)として
困りごとを解決しながら顧客満足度を向上させること、但し過剰サービス(過剰品質)に陥
り利益を棄損することを防ぐという機能が必要不可欠である点は議論の余地がないはずで
しょう。
4、実力値の把握と振返り(会議体の意義とは)
各種コストの上昇が止まりません。
正確には、デフレという幻想が是正されているということでしょうか。
特に、物流費(運ぶコスト)には今後色々と修正が入ることでしょう。
基本的に、「お店(在庫置き場)」とは市場の振れ(ムラ)の悪影響を製造や物流側に波及さ
せないために設定されるべきものです。
・ リードタイムの変動(突発、緊急)
・ 量変動(突発・仕掛け≠特売やセール等)
これらの変動(ムラ)は、ムリとムダの最大の誘発要因だからです。
結果として、製造品質や物流品質は安定します。
内製品だけでなく、仕入品も同じです。
しかし、仕組んだ通り(計画)にはなかなか物事は進みません。
というか、仕組んだからこそ「バラツキ(ムラ)」が見えてきて、改善に取り掛かれるので
す。
その為(改善に着手する)には、情報を遡って把握(「整理」)する機能が必要になります。
情報を遡るとは、自社から見た川下のユーザー情報の継続的更新と、それが自社から見た川
上のサプライチェーンにどのような影響を与えるかという「仮説設定」のための元情報を得
るということです。
自社の供給能力(=実力)と、お客様が本当に必要としている実情を把握することを含みま
す。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」
・ 「彼を知る」ことが出来なければそもそも戦えません。
・ 「己を知る」ことが不足していれば適切な判断は下せません。
・ 「百戦、危うい」でしょう。
では、この情報加工は組織の機能的にはどこが担うべきでしょうか。
当然、市場と直接向き合うのは「営業」機能です。
しかし、存外この機能を仕組めていない企業が多いように感じるのは気のせいでしょうか。
→ 「彼を知る」部分
そして、自社の「実力値≠供給能力」も把握できていない、仕組めていない企業も多いよう
に感じます。
正確には、「実力値≠供給能力」とは、受注の取り方に大きく影響を受けるという根本的な
理解が不足しているというべきかも知れません。
本来、これらのギャップを埋めるために製販会議があります。
自社の実力値を見極めながら、市場の変動に組織として対処するための意思決定の場のは
ずですが、なかなか機能していません。
繰り返しになりますが、「お店(在庫置き場)」とは市場の振れ(ムラ)の影響を最小限に抑
制するために設定されるべきものです。
・ リードタイムの変動(突発、緊急)
・ 量変動(突発・仕掛け≠特売やセール等
結果として、製造品質や物流品質を含めたサービスレベルが安定します。
では、それを仕組みに落とし込むのは誰の役割でしょうか。
それを仕組むことで、誰が最も利益を得るでしょうか。
それは、経営陣であり、中小企業の場合は社長さんです。
何故会議体が必要なのか、振返りとはどういうことか、自らの担うべき役割、砂割経営とは
何かを深掘りする必要があるのではないでしょうか。
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