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2026/09/08

モノや情報の流れから見た改善の着眼点 「物流改善」 ⑫ 全ては「仕組み」から始まり、モノと情報の流れで構成される

【目次】
1、「仕組み」についての振返り
2、在庫について「良いダム、悪いダム」とは
3、お医者さんが必要では?
4、そもそも論「物流とは?」
5、ロジスティクスという視点

【要点】
・ 仕事とは、お客様を含めた一連の繋がりの中で成り立っている
・ 詰まらないように構えておく=良いダム
・ 仕組みを無視して詰まらせてしまう=悪いダム
・ 悪いダムの良い所=会社の悪さ・弱さを端的に現認させてくれる
・ 病気に掛かればお医者さんに掛かること=治療という投資行動
・ ビジネスには「物流」が必ず必要となる
・ 「物流」とは、情報に始まり情報に終わる
・ ロジスティクスとは、全てのビジネス活動を統合して、需要と供給の最適化を図るということ、即ち情報連結があってこそ成り立つ考え方である

1、「仕組み」についての振返り

仕事とは、お客様を含めた一連の繋がりの中で成り立っており、単体や部分のみで完結するものは存在しません。

当然のことながら、受注から出荷(納品)までも、本来一本の線で繋がっています。

・ 「受注」とは、お客様からの注文の確定のこと
・ 「出荷」とは、お客様からの注文いただいた品物をお届けするために荷を出すこと

先に情報があり、その結果として現物が動きます。

それを、各部門の部分的な考え(都合とも言う)で分断してしまった結果が、停滞というダムです。
・ モノの停滞
・ 情報の停滞
・ 仕事の停滞  等

このような停滞(ダムの存在)が当たり前の風景になっていませんか?

・ 前が早すぎるのか?
・ 後ろが遅すぎるのか?
・ そもそも、どの段階で管理者はフォローに入るルールになっているのか?

多くは、ノーコントロールでしょう。
あちらこちらに良く分からないダムが造られます。
だからこそ、仕事が流れません。

本来は、順番に進めるとお客さんまで繋がっているはずなのに、どこかで詰まりが発生します。
というか、人為的に発生させていることにお気づきでしょうか?

2、在庫について「良いダム、悪いダム」とは

本来、良いダムとは必要なものを、必要なときに、必要なだけ予め揃えておくことで、欠品や空振りを防止してくれます。

また、短リードタイムへの対応による競争力の確保や、市場の振れを生産現場に波及させな

いための防波堤として機能することで、品質や生産性の維持・向上の武器にもなります。

それに対して、悪いダムとは本来の仕組みを無視して個々の勝手な判断で作り上げた停滞ポイントと言えます。

残念ながら、このダムは誰も幸せにしてくれません。

ダムに溜めるのは、モノの場合もあれば情報の場合もあるでしょう。

しかし、溜める以上はお世話(多くの企業はこれを管理と称す)が必要となります。

お世話には当然のことながら手間が掛かります。

しかし、その手間は価値を生んでくれません。

「骨折り損のくたびれ儲け」

これでは悲しすぎます。

しかし、見方を変えればこのダムは良い教え手となります。

会社の悪さ・弱さを端的に現認させてくれるという意味で・・・。

皆さんも本当は薄々感じているのではないでしょうか?

3、お医者さんが必要では?

薄々気づいていることでも、嫌なことは皆さん直視したがりません。

結果として、苦労しますし、しています。

コストも上がります。

儲かりません。

放置しては本当に誰も幸せになりません。

見て見ぬふりでは自分を含めて誰も幸せになりませんよね。

だからこそ、強制的に「見える」ようにして悪さを直視する必要があります。

無論、社内で単独にそれをやろうとすると、「出る杭として打たれる」というリスクが生じます。

多くの人は、これも経験しているはずです。
で、見て見ぬふりをします。
でも、幸せにはなりません。
不満が溜まります。
見事な負のループの完成です。

この負のループは、ある意味病気と同じです。

自力ではなかなか直せません。

でも、これに対する処方箋はあります。

自分で治せないのであればお医者さんに掛かることです。

この場合のお医者さんとは外部の専門家のことでしょう。

そうです。

外部の支援を入れることです。

経験を積んだ外部支援者は直すための痛み、即ち「悪者」になることの大切さを知っています。

そして、治療の仕方も知っています。

さて、この場合の治療費はコストでしょうか?
投資でしょうか?

考え方ひとつで結果は大きく変わります。

4、そもそも論「物流とは?」

「物流」とは、殊更物を運ぶことだけに限定されがちです。

勿論、運び方の上手い下手で収益に大きく影響するのも事実です。

但し、物流とはどのような業種業態であれ必ず必要となります。

物流とは、構外(取引先)に向けた納品物流だけを意味する訳ではありません。

寧ろ、社内の情報やモノの流し方の巧緻の差が収益力に大きな影響を与えます。

前述の通りビジネスの基本は、

・ 先に情報があって後にモノが動く
・ 先にお金が動き(投資)、後にお金が増えて戻ってくる(利益)

であり、本質的にビジネスと「物流」とは切っても切れない間柄なのです。

5、ロジスティクスという視点

視点を「ロジスティクス」の範囲まで拡大して俯瞰してみましょう。

「ロジスティクス」とはもともとは軍事用語で、後方兵站を意味します。

前線で戦う実戦部隊に如何に物資をスムーズに供給するか?というところから出てきた考え方です。

歴史的に、兵站という概念は日本人にとっては得意と言い切れない分野かも知れません。

転じて、全てのビジネス活動を統合して、需要と供給の最適化を図るような意味で使われている言葉といえるかもしれません。

では、物流を「ロジスティクス」の範囲まで広げて考えてみると以下のような条件整理が必要となると思われます。

・ 運ぶべき対象の選択(情報)
・ 運ぶ場所(始点と終点)の選択(情報)
・ 運ぶべき対象の事前確保(在庫管理のための情報+スペースや保管条件の確保のための情報と道具立て+モノ+工数)
・ 運ぶための荷姿の安定化(情報+モノ)
・ 運ぶ手段の選択と確保(情報+道具立て)
・ 運ぶタイミングの選択(情報)
・ 実際の輸配送(道具立て+工数)
・ 着荷タイミングの選択と受取準備(情報)
・ 実際の荷受け(着荷情報+道具立て+工数)
・ 荷受け後、消費者の手に届くまでの保管体制(在庫管理のための情報+スペースや保管条件の確保のための情報と道具立て+モノ+工数確保)

みたいに分解できるのではないかと思われます。
このように見てみると、「運ぶ」ための「情報」の重要性が多少でも理解いただけるのではないかと思います。

前線への必要物資の情報を把握(お客様の引きの情報)、最適なタイミングに必要な場所に必要な量を供給する(早すぎず・でも間に合うタイミングでの荷揃え、運搬)ことの大前提に正しい「情報」が欠かせません。

すなわち、市場からの引きの情報と、それに対する供給指示(購買・製造)までをリンクさせて初めて成り立つ考え方であり、「物流」単体で対処できるものではないのです。

逆に言うと、市場との情報リンクに問題があるから、「物流」という部署に過剰在庫や待機という、企業の弱さの結果が顕在化しやすい訳です。

【情報のモノの流れ】を繋げる仕組み、それはもうひとつの儲け口であり、改善ポイントでもあるのです。

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