コロナ禍で厳しい経営環境が続いておりますが、外部環境が企業の死命を制するのは非常に希なことです。結局は、環境の変化に適した企業が生き残るのであり、如何に変化に柔軟に対応すること、そのための準備を平時に積み重ねておくことが重要なのです。企業は人と同じく、歴史を積重ねてきた経験値を元にした強みと、企業文化という性格があり、全く新規の分野にいきなり飛び込んで上手くいくものではありません。
「既存市場においてこれまで培ったコア技術や知見をベースに、新たな価値を探し求めること」
結局は、これに尽きると思います。世の中には革新という言葉や、DX（デジタルトランスフォーメーション）とかいう言葉が溢れています。勿論、これらの重要性を否定するつもりはありませんが、あくまでも手段のひとつであり、一種の流行に過ぎません。このような言葉に踊らされることなく、あくまでも地に足のついた継続的な検証こそ求められるのではないでしょうか。当社の支援先にも、コロナ禍で苦しみながら経営改善を模索している企業は沢山あります。但し、突破口を見つけた企業の共通点は、自社の強みに拘り、そこに集中しているという点です。流行は廃るもの、変化の激しい昨今だからこそ、足下を見つめ直すことの重要性が増しているのではないでしょうか。ある食品関係の会社は、営業の重点先をどうするか数ヶ月の検証を行なう中、後で振り返れば当然と思える突破口に気付かれたりしています。答えは己の中にこそある、積重ねた知見は伊達ではありません。