うちの社員は「5S」ができていない。
良くお聞きするフレーズです。
「では、社長のおっしゃる「5S」とはどういうこと（状態）を意味しておりますか？」
確認のために、このように返すと、ほぼ間違いなく的外れの返事が返ってきます。
良くあるのが、現場が汚い、何がどこに置かれているかわからない、だらしない等々。
面白いことに、それをおっしゃる社長ご自身の机の上を見ると、似たような状況になっているんです。
そして、こういう場合の社長さんは、「社員に現場指導してくれればいい、それを望んでいる。現場改善が進めばいいんだ」と・・・。
しかし、こういう企業では社長の望む現場をきれいにするための現場指導の時間がなかなか取れなかったりします。（社長ご自身も現場で学ぼうとはしない傾向が強かったりもします。）
根本的な仕組みができていないので、見てくれをきれいにしようにもすぐに崩れてしまいますし。優先順位的には「安全・品質・納期」という重要課題を最低限クリアすることに重きを置かざるを得ないので。
結果としてコストが下がり、儲かり始めます（収益性の良化）が、見た目の悪さはそう簡単には直せません。そもそもが、社長ご自身がなぜそうなってしまっているかに気が付いていないのですから、ニーズが社内に湧かないのです。
率先垂範、まずは自らが姿勢を正す、即ち正しい基準に従う行動変容をされる必要があります。会社が汚いということは、トップが無意識に設定している基準にこそ問題があるのですから。
さて、社長、部下の悪さを言われる前に、あなた自身の基準はあるべき姿に合っているでしょうか？