2022/01/12
経営改善:価格高騰の現状について考える
原材料関係、燃料関係、電気料金関係、輸送費関係等ありとあらゆるものの価格が上昇しております。
コロナ禍から世界が立ち直ろうとする中での需給ギャップだけが原因ではありません。
「SDGs(エスディージーズ)Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」もまた、大きな影響を与えていると推察されます。
即ち、短期間でこの状況が改善されるとは考えづらいということです。
その中で、日本だけが約30年にも及ぶデフレの影響下から脱することが出来ていません。
安いことは良いことだ、と。
実際、企業間物価は上昇基調ですが消費者物価には転嫁されていないのが実情です。
これは何を意味するかと言えば、企業が利益を削っているということです。
売上高-変動費=限界利益
この限界利益で固定費を賄い、残ったのが利益
この利益がなければ企業は成り立ちません。
ところが、売上高(販売価格)を見直せない状況で変動費が急激に上昇している訳です。
固定費はその名の通り、ある程度固定的に発生する費用、これを削るのも容易ではないのです。
結局、利益が削られることになり、企業体力を奪うことになります。
コロナ禍の最中、これは自殺行為に近いのではないでしょうか。
企業努力で吸収できるような範囲はすでに超えていると思います。
企業の、そして経営者の最大の義務は経営を継続させることです。
価格転嫁は、決して利益を増やす行為ではありません。
最低限の、適正利益を守り、自らを守る行為です。
しかし、価格転嫁の交渉が成立するまでに最低半年程度は掛かるはずです。
その半年間が致命傷になりかねない、今はそういう状況ではないでしょうか。
主原料だけでなく、副原料から物流費まで、高騰の影響を見極めるための仕組みを早急に導入してせめて継続的な交渉ができる体制だけは整備する、その上で恐れずに交渉のテーブルに着くこと、今やれることを着実にやりきること、それが最優先課題ではないでしょうか。
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