2022/07/20
経営改善:人材とは
製造業における人材の育成過程は、単能工-多能工-万能工と成長と共に格上げされていくような話を聞いたことがあります。
同じ仕事をしていても、時間が経験値の積上げを促し、出来る範囲が自然に人がることは事実です。
昨日よりも今日、今日よりも明日の方が同じ仕事をするにしても上手くできるようになる、これは当然のことでしょう。
これは、子供が成長していく過程に似ています。
まあ、本人は一人前のつもりでも、親から見たら危なっかしいこと甚だしい、なんてことはよくある話ですが、それでも人は成長していくものですし、基本的に成長を求める存在でもあることは間違いないでしょう。
いや、この場合はそうあって欲しいとの願望が入っていることは否定できませんが。
会社という場所は、無条件に人の意識や行動を変える力があります。
会社という存在が持つ個性、文化、風土に合わせないとそこにいることが困難になるのですから、当然のことです。
では、会社組織が人を育て、その能力を最大限活用できる仕組みを持っているかと言えば、そうとも言えません。
作業の手として社員を必要としている、という位置づけからの脱却するのは簡単ではないのです。
会社もまた、ひとつの人格、性格を持った存在ですから、ある意味しかたのないことかもしれません。
その中で、最近よく聞かれるのが「良い人材」を確保したいという言葉です。
「それでは、会社にとって良い人材とは?」と聞けば、答えられる方は極少数のように思われます。
会社自体をどのように変えたいか、この戦略がない限り、その会社にとっての「良い人材」は設定しようがありません。
結局、「学歴等の高い人」位の判断基準に落ち着くように思われます。
それって、これまでと何が変わるのでしょうか。
記憶力の良い人と、新たなことを考えられる人、現状を変えることに耐えられる人、同調圧力に屈しない人、それぞれの適正が違います。
ただひとつ、はっきり言えることは受け入れる側に準備が出来ていないという事実、これでは人材を人財として活かすことは不可能に近いのではないでしょうか。
他人に変わることを望むのであれば、まずは社長や経営層、管理者層や人事関係者自ら
変わる努力をすること、せめてどういう方向に変わろうとするかを決めて行動する方が先のように思われますが、如何でしょうか。
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